taishin SHIOZAKI ＋ saeco KOBAYASHI

上池袋の住宅

RC造3階建て│敷地面積：213.99㎡│建築面積：97.64㎡│延床面積：287.30㎡

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3組の家族のために設計された1棟の住宅である。利便性の高い都心に残る下町に位置し、近隣付き合いも頻繁な細路地が続く住宅密集地である。建主は家族が昔から住んでいた土地の隣地を購入し、新たな家族の居場所を計画した。およそ10×10×10mのヴォリュームは、RC壁構造の外周壁、外殻からセットバックした3枚の格子梁床スラブ、そしてその床スラブと外周壁を構造的に繋ぐ幾何学的な形象とで構成されていて、そのほかの内部は木造で設えられている。大家族→核家族→個人→複数の個人(シェア)と、家の住み手は大きな単位から徐々に分解してきた。この建築は密集した都市から一度閉じ、建築の外郭から３組の家族の居場所をオフセットさせ、それぞれの単位が明快となっている。外周部の隙間に配置された幾何学の形象が、ところどころ上下を関係付け、境界の表面積を増やしている。それらは日常の生活の中でお互いの意識を誘う仕掛けとなり新たな距離感を創出する。少子高齢化の社会で複数の個人や家族が集まった暮らしにシフトしていく背景を意識し、家族が独立しながらも日常的に距離を縮める新たな要素として、それらが住宅の鼓動する身体の器官のようにふるまえないかと考えた。